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  3. 栄養素の学習6:脂質④ダイエットとして優れた効果!?中鎖脂肪酸とMCTオイルの効果とは

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MCTとは

中和脂肪酸

MCTは “Medium Chain Triglycerides” の略称で、日本語では「中鎖脂肪酸トリグリセリド」と呼ばれます。中性脂肪(トリグリセリド)は、グリセロールに3本の脂肪酸が結合した構造をしていますが、その3本すべてが中鎖脂肪酸**で構成されているものがMCTです。

MCTオイルは、肥満の原因になりやすいとされる長鎖脂肪酸を取り除き、中鎖脂肪酸だけを抽出したオイルのことを指します。
もともとは医療現場で、消化吸収が弱い人の栄養補給やエネルギー源として長年利用されてきましたが、近年ではその吸収の速さ・代謝のしやすさが注目され、ダイエットや健康食品として広く商品化されています。

短鎖脂肪酸も吸収・燃焼効率の良い飽和脂肪酸ですが、食品中に多く含まれるものがほとんどありません。
一方、中鎖脂肪酸はココナッツに比較的多く含まれるため、ココナッツオイルやパーム核油を原料に抽出したMCTオイルが一般的に販売されています。

MCTオイルの成分

ココナッツ

中鎖脂肪酸を含む食品は、短鎖脂肪酸と同様に食品の中では非常に珍しい存在です。
最も多く含まれているのはココナッツパーム核油で、これらの油脂に含まれる中鎖脂肪酸は全体の約14%程度にすぎません。
牛乳や乳製品にも中鎖脂肪酸は含まれていますが、その量は3〜5%程度と少なく、日常の食事から十分に摂取するのは難しい脂肪酸です。

そのため、市販されているMCTオイル(中鎖脂肪酸油)の主成分は、ココナッツやパーム核(※パーム油とは別物)から抽出された中鎖脂肪酸がほとんどを占めています。

中鎖脂肪酸には、炭素数によって
C8:カプリル酸
C9:ペラルゴン酸
C10:カプリン酸
C12:ラウリン酸
といった種類があります。

飽和脂肪酸の種類

MCTオイルは、このうちC8(カプリル酸)とC10(カプリン酸)を中心に構成されたオイルを指します。
一方、ココナッツオイルにはC8・C10のほかに、C12(ラウリン酸)や長鎖脂肪酸も含まれています。
実際には、ココナッツオイルの大部分はC12(ラウリン酸)と長鎖脂肪酸であり、C8・C10はごくわずかしか含まれていません。

そのため、MCTオイルはココナッツオイルを原料としていても、成分構成も働きもまったく異なる別物と考える必要があります。

C8(カプリル酸)とC10(カプリン酸)は、

・抗菌作用
・ダイエットサポート
・エネルギー補給に役立つ「ケトン体」の成促進

などの働きがあるとされています。

一方、C12(ラウリン酸)は母乳にも含まれる成分で、

・抗酸化作用
・免疫力のサポート
・美容への良い影響

などが期待されています。

MCTオイル

MCTオイル

主成分:C8(カプリル酸)、C10(カプリン酸)
短時間でたくさんのケトン体を生成したい人、例えばダイエッターや、持久力アップを目的に摂取するアスリート向けのオイル。

ココナッツオイル

ココナッツオイル

主成分:C12(ラウリン酸)、長鎖脂肪酸
美容やゆるやかなケトン体生成を目的とする人向けのオイル。

MCTの特徴 

MCTの特徴

MCTの特徴

1.消費効率が高い
 10時間でほぼ消費
2.ケトン体生成能力が高い
 長鎖脂肪酸の10倍
3.エネルギー消費手順を変換
 ぶどう糖⇒脂肪(ケトン体)から脂肪(ケトン身体)⇒ぶどう糖に

1.消費効率が高い ~抜群の吸収力と分解性~

中鎖脂肪酸(MCT)は短鎖脂肪酸と同様に分子サイズが小さいため吸収性が高く、体内で非常に速く分解されるという特徴があります。
これに対し、長鎖脂肪酸(一般的な動物性脂肪)は、腸で胆汁と混ざってミセルを形成し、リンパ管→血液循環という長いルートを通って体内を巡ります。
そのため、代謝されるまでに時間がかかり、余剰分が中性脂肪として蓄積されやすくなります。

一方、中鎖脂肪酸(MCT)は腸に到達すると、門脈を通って直接肝臓へ運ばれ、すぐにエネルギーとして利用されるという非常に効率的な代謝経路を持っています。
摂取後およそ3時間で分解のピークに達し、10時間後にはほとんど体内に残らないことが知られています。

このように、中鎖脂肪酸は「速やかに使われる脂肪」であるのに対し、長鎖脂肪酸は積極的に消費されにくく、体脂肪として蓄積されやすいという違いがあります。

MCTの特徴

2.ケトン体生成能力が高い ~長鎖脂肪酸の10倍の生成能力~

ケトン体とは肝臓で生成されるエネルギー物質の総称のことで、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸といった化学物質をまとめて指します。
エネルギーとして最初に消費される物質はぶどう糖(グルコース)です。
ぶどう糖が減少しエネルギーが不足したときに脂肪が分解されてケトン体が生成され、第二の代替エネルギーとしてぶどう糖と同様の働きをします。
特にアルツハイマー認知症者は脳におけるぶどう糖が少ない傾向があり、それが認知症進行の原因とも考えられていますが、ケトン体を増やすことで認知症抑性効果が得られたという報告もでています。
その能力は、中鎖脂肪酸(MCT)は長鎖脂肪酸の10倍あると言われています。

MCTの特徴

3.エネルギー消費順番を変換 ~脂肪燃焼効果が高い理由!~

通常の食事をした時(長鎖脂肪酸の食事)、まず炭水化物(糖質)がぶどう糖(グルコース)となり、ぶどう糖が主力のエネルギー源となります。
ぶどう糖が消費された後、エネルギーを補うため脂肪が消費されケトン体が利用されるといったプロセスが一般的な流れです。
MCTを摂取するとこの流れが逆になり、先に脂肪が消費された後、ぶどう糖が消費されるといった流れに変わります。

MCTの特徴

MCTがダイエットに向いている理由

空腹

MCTオイルを利用するとダイエット効率が高まるといわれていますが、これは中鎖脂肪酸(MCT)の特有の代謝経路によるものです。
その理由について説明します。

通常の食事で摂る肉や乳製品に含まれる脂肪の多くは、長鎖脂肪酸です。
食べ物が消化されると、まず炭水化物がぶどう糖(グルコース)に分解され、最優先でエネルギーとして使われます。
ぶどう糖が減ってからようやく、体脂肪が分解されてケトン体
が第二のエネルギー源として利用され始めます。

しかし、長鎖脂肪酸は代謝されるまでのプロセスが複雑で、積極的に消費されにくいという特徴があります。
そのため、血液中を巡りながら余剰分が中性脂肪として蓄積され、体脂肪が増える原因になってしまいます。

つまり、通常の食事ではぶどう糖が消費されない限り、脂肪は燃えにくいということになります。
そのため、糖質制限でぶどう糖の供給を抑えたり、断食や激しい運動でぶどう糖を使い切ったりしないと、なかなか脂肪が減らず、ダイエット効果が出にくいのです。

体内でのエネルギー

MCTオイルを利用した食事を取り入れると、体内でのエネルギー利用の流れが大きく変わります。
まず、摂取したMCTはすぐに肝臓へ運ばれ、即効性の高いエネルギー源としてぶどう糖より先に消費されます。

次に、MCTは体脂肪の分解を促し、ケトン体の生成を活発化させます。
生成されたケトン体はそのままエネルギーとして利用され、身体活動を支えます。

その後になってようやく、炭水化物から作られたぶどう糖が消費されるという順番になります。
つまり、ぶどう糖の利用が後回しになることで、脂肪が優先的に分解される体質に切り替わるため、MCTオイルを利用した食事はダイエットに高い効果が期待できるのです。

さらに、これだけではありません。
ケトン体が先に使われることで、ぶどう糖の消費タイミングが遅くなり、1食あたりのエネルギー持続時間が長くなるというメリットがあります。
その結果、空腹感が抑えられ、自然と食事量を減らしやすくなるため、減量をサポートしてくれます。

また、ケトン体は持久力を必要とする運動との相性も良く、マラソンなど長時間のエネルギー消費が続くスポーツにも適しているとされています。

MCTとエネルギー

MCT(中鎖脂肪酸)により得られる効果

効果アップ

1.ダイエット効果 ~すばやくエネルギーに分解され、体脂肪を生み出さない~

MCTで最も期待されるのがダイエット効果です。
脂肪燃焼効果が高く、食欲も抑えてくれるのでダイエットに適しています。
また、肥満気味の人に中鎖脂肪酸を11%程度含む食用油を含む食事を続けてもらうことで体重と体脂肪、皮下脂肪、内臓脂肪が減少したという実験結果もあるようです。
ただし、ぶどう糖が多くなるとその効果も弱まるため、なるべく炭水化物(糖質)制限をしてぶどう糖の生成を抑える必要もあります。
また、肥満を抑えてくれるので、生活習慣病予防対策にもなります。

2.記憶力低下抑性、認知症予防 ~ケトン体生成効果による~

脳のエネルギー源はブドウ糖です。
高齢になるほどぶどう糖が上手く利用できなくなる傾向がありますが、アルツハイマー認知症となると顕著になってきます。
ぶどう糖の代替エネルギーとして利用されるのが「ケトン体」です。
MCTは長鎖脂肪酸と比較してケトン体生成能力が高いため、軽度から中程度の認知症でMCTの投与が症状を改善したという報告もあり、今後の治療への応用が期待されています。

3.てんかん、自閉症に対する効果

てんかんも、ぶどう糖の減少と関係があることが指摘されており、ケトン食が有効と考えられています。また、MCTオイルとケトン食は自閉症に効果があるとする研究もあり、より詳細な研究が期待されています。

4.運動前に効果的 ~乳酸の蓄積減少効果、エネルギー持続効果~

MCTオイルは疲労の原因となる乳酸の蓄積を減らす効果があることが分かっています。
また、1食あたりEMC+ケトン体+ぶどう糖のエネルギーが得られるため、長時間運動する際に利用するのも有効です。

MCTオイルの危険性

MCTオイルの副作用と危険性には次のような症状が現れます。

1.下痢、胃のむかつき、腹痛(腸が弱い人)
2.アレルギー反応(低純度MCTオイル使用の場合)
3.ケトアシドーシス(嘔吐、めまい、眠気)
 (一型糖尿病患者、血糖値が高い方)

MCTオイルの利用方法と目安量

珈琲

MCLオイルの利用上の注意

MCTオイルは、150度以上で炒めると煙がでるため炒めもの、加熱する料理にはあいません。
そのため、サラダ、ピザなど調理済み料理にかけて食べる方法が推奨されています。
特に、アメリカでダイエットで大流行したバターコーヒーにMCLを入れて飲む人も多いようです。
(このとき使用するバターは、飽和脂肪酸のないグラスフェッドバター(まはたギーオイル)を利用します。)
人によっては下痢を起こしたり、お腹が痛くなったりしやすいので、初心者の方は、小さじ一杯からはじめてみるといいでしょう。

MCTオイルを利用するとお腹が痛くなったというレビューが多くみられますが、このオイルは胃に優しく飲みやすいタイプのようです。
初心者の方はこちらからはじめてみるといいのではないでしょうか。

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お腹が痛くなったという声もありますが、すぐエネルギーになるのを実感する、ダイエット効果を感じるといった声も多くみられます。

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