はじめに

「ジグリング(Jiggling)」とは、いわゆる貧乏ゆすりのことを指します。
貧乏ゆすりは、何かに集中しているときに、足の動きを制御している大脳の働きが抑えられることで生じるとされています。
また、内面にストレスを抱えている場合、そのストレスを緩和するために無意識に現れる動作とも考えられています。
貧乏ゆすりはADHDなどの特性とも関連が指摘されており、内面の緊張やストレスのサインとして理解されることもあります。
かつては「行儀が悪い」「落ち着きがない」といったマイナスイメージが強かったものの、近年ではその効果が見直され、健康法として活用されるようになりました。
ジグリングは、久留米大学名誉教授の故・井上明生先生が提唱した療法で、本来は変形性股関節症の治療として用いられてきました。一般には「貧乏ゆすり健康法」として知られています。
さらに近年では、ジグリングによってイリシンの分泌が促されることでダイエット効果が期待できるほか、脳機能の向上や認知症予防への応用も注目されています。
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ジグリングによって得られる効果
変形性股関節症治療として利用されていますが、脳を鍛えることにも有効であることも生理学的にも示されるようになってきています。
変形性股関節症の予防、治療

変形性股関節症とは、脚の骨と骨盤の間にある関節軟骨がすり減ることで、炎症や痛みが生じる病気です。骨と骨の接合部にわずかなずれが生じると、その負荷が軟骨に集中し、さらに状態を悪化させていきます。
ジグリングは、このような変形性股関節症の予防にも役立つとされており、関節への血流を促すことで軟骨の再生を助け、症状の改善を目指す療法として利用されています。
イリシンを分泌し、BDNFを増やし脳機能UP

貧乏ゆすりは筋肉を細かく動かすため、その刺激によって「イリシン」というホルモンが分泌されます。
イリシンは脳にも作用し、神経細胞の成長を支える栄養因子であるBDNF(脳由来神経栄養因子)を増やします。これにより海馬などの神経の発達が促され、記憶力の向上や認知症予防につながる可能性があると考えられています。
セロトニン分泌が促され、α波がでてリラックス

ダンスなどのリズム運動を行うと、セロトニンが分泌され、心身のリラックス状態を示すα波が増えると言われています。
貧乏ゆすりも同じく一定のリズムを刻む運動であるため、類似したリラックス効果が得られる可能性が示されています。
血行促進・老廃物排出・むくみ防止

ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれるように、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たし、下半身の血液を心臓へ押し戻しています。
むくみは、長時間歩いたり立ち続けたりすることで足の血流が滞り、余分な水分が溜まることで起こる症状です。
貧乏ゆすりは、ふくらはぎを含む脚全体を細かく動かすため、ふくらはぎの筋肉がしっかりと働きます。その結果、血行が促進され、むくみの改善や老廃物の排出に役立ち、下肢静脈瘤の予防にもつながると考えられています。
エコノミークラス症候群の予防

長時間、食事や水分を十分に取らないまま、車などの狭い座席で足を動かさずに座り続けていると、血行が悪くなり血液が固まりやすくなります。
その結果、できた血の固まり(血栓)が血管内を移動し、肺に詰まって肺塞栓を引き起こす恐れがあります。これがいわゆるエコノミークラス症候群です。
貧乏ゆすりは血流を促す働きがあるため、このエコノミークラス症候群の予防にも役立つと考えられています。
冷え症改善・免疫力UP

冷え性の場合、手足の一部が冷たく感じられますが、これは体温そのものが下がっているのではなく、皮膚表面の温度が低くなることで起こります。
貧乏ゆすりを行うと血流が促進されるため、手足の冷えの改善にもつながります。
実際に、20〜40代の女性4人に貧乏ゆすりをしてもらったところ、5分後には皮膚温が平均2度上昇したことがサーモグラフィーで確認されたという報告もあります。
さらに、体温が上がることで免疫力の向上にも寄与すると考えられています。
寒い日の夜には、貧乏ゆすりを取り入れることで体がポカポカと温まり、より深く眠りやすくなるかもしれません。
脂肪を減らしダイエット

貧乏揺すりを1時間すると、約40kcalを消費すると言われています。
貧乏揺すり3分はウォーキングの20分にも匹敵すると言われているので、ただ座っているよりも脂肪が燃焼されるためダイエット効果があることがわかります。
ジグリングのやり方
以上のように、貧乏ゆすりはBDNFを増やして脳の働きを高めたり、ストレス解消に役立ったりと、家庭でも気軽に取り組める健康療法として注目されつつあります。そのため「健康ゆすり」と呼ばれることもあります。やり方はとても簡単なので、時間のあるときに周囲へ迷惑にならない範囲で実践してみるとよいでしょう。
※変形性股関節症で痛みのある方は、自己判断で行わず、専門医の指導のもとで取り組むことをおすすめします。

1.足の裏がしっかり床につく高さの椅子に座り、リラックスした姿勢をとります。
このとき、膝の角度が90度になるように調整します。足を前に出しすぎたり、逆に引き寄せすぎたりしないように注意しましょう。

2.つま先を床につけたまま、かかとを小刻みに上下させます。
股関節が動くイメージで小刻みに動かすと変形性股関節症予防になります。
やる時間帯
時間は1時間以上を目標に。
ジグリングは、体温を高めリラックス効果を高めることから、寝る前に行うと効果的です。
特に冷え症や不眠症の方、眠れない時などおすすめです。
参考動画
ジグリングマシン
ジグリングマシンも健康器具として市販されています。
マシンを使用する場合も、膝の角度が90度になるように調整し、力を入れすぎずリラックスした状態で行いましょう。

