はじめに
向精神薬を減薬する場合に気を付けなければならないのが、「離脱症状(禁断症状)」です。
向精神薬を急にやめると、反動がでて辛い症状がでてくるため、気を付ける必要があります。
そのため、向精神薬をやめたい方は、基本医師の指示の元行って下さい。
(投薬が必要な症状:統合失調症、双極性障害は除く)
睡眠薬、抗うつ薬などの単剤投与の場合は、当ヒーリングを利用すると比較的簡単に離脱症状を抑え断薬も苦しむこともなく楽にできますが、多剤投与になると状況は複雑になるので、自己判断で行わず必ず専門科の指示を受けて下さい。
ここでは、減薬に関しての情報を掲載しておきます。
精神科について知らない方は、精神科に通うとあとが大変ということを知ってもらうために。
減薬のための基礎知識

■向精神薬すべて離脱作用がある
向精神薬として使用されるものとして、
「抗精神薬」「抗うつ薬」「抗不安薬」「睡眠薬」「気分安定薬」「抗パーキンソン病薬」
があります。
いずれも離脱作用があるので減薬するときはゆっくり減らしておこないます。
■離脱症状とは
「離脱症状、禁断症状」とは向精神薬を減らす、いきなりやめたときにでてくる辛い症状です。
長期服用、処方量が多いほど急に服薬をやめると強い後遺症が残る危険性が高まります。
■離脱症状が起こる理由
長期間薬を使うと、脳はその薬がある状態を基準にして働くようになります。
そのため、薬を減らすと 脳内のバランスが急に変わり、体がついていけなくなることがあります。
・セロトニンやノルアドレナリンの急激な変化
・GABA系の働きの低下
・コリン神経系の過活動
・神経細胞シナプスの受容体数減少
などが関わると考えられていますが、まだ完全には解明されていません。
離脱症状は、うつや不安の症状と似ていることが多く、
本人も周囲も 「病気が戻ったのでは」 と誤解しやすいのが特徴です。
この誤解が、減薬をさらに難しく感じさせる要因になります。
向精神薬のチェック

減薬を考える場合、本来であれば、減薬について相談にのってくれる医師と一緒に進めるのが安心です。
しかし現状では、減薬に詳しい医師が多いとは言えず、なかなか巡り合えないという声もあります。
そのため、医師と相談しながら進めたい方は、複数の医療機関を受診して相性の良い医師を探す、いわゆる「ドクターショッピング」を行うこともあります。
もちろん、これは無理に勧めるものではなく、信頼できる医師に出会うための選択肢のひとつとして語られることがあります。
ただし、症状の出方、服薬期間、薬の種類、体質などは人によって大きく異なるため、
「これが絶対に正しい」という減薬方法は存在しません。
基本的には、自分の体調の変化をよく見ながら進めることが大切とされています。
以下に紹介する方法は、
書籍『精神科は今日もやりたい放題』(内海聡 著)」
を参考にしたものです。
必ずしも正しい方法ではありませんが、あくまで参考としてご覧ください。
1.減薬にあたっての心掛け
2.向精神薬の種類を確認する
向精神薬として使用されるものとして、
「抗精神薬」
「抗うつ薬」
「抗不安薬」
「睡眠薬」
「気分安定薬」
「抗パーキンソン病薬」
があります。
減薬を考えるときは、まず 自分が処方されている薬がどのカテゴリーに当てはまるのか を確認することが大切です。薬の種類によって、作用の方向性や体調の変化の出方が異なるため、最初に全体像を把握しておくと理解が深まりやすくなります。
①抗精神薬(ダウナー系)
統合失調症、双極性障害で使用される薬でドーパミンを抑制します。
に分類されます。
副作用は第一世代が大きいので、全体の薬の中では最優先で。
②抗うつ薬(アッパー系)
うつ病、双極性障害、統合失調症などで使用されます。ノルアドレナリン、セロトニンを促進し覚醒作用を高めます。
三環系、四環系、SSRI、SNRI,NaSSAなどに分類されます。
左が古い世代で副作用が強く、左へ行くほど弱くなります。
③抗不安薬・睡眠薬(ダウナー系)
抗不安薬は、不安障害やパニック症状などの不安を和らげる目的で使われることが多く、
睡眠薬は、不眠のつらさを軽減するために処方されることがあります。
これらの薬は、脳の興奮を抑える方向に働き、
ドーパミンやノルアドレナリンの働きを弱めると説明されることがあります。
分類としては、
の2つに大きく分けられますが、作用の方向性は似ているとされています。
そのため、これらは精神科や一般診療でも最もよく処方される薬のひとつです。
睡眠薬は、他にも作用機序が異なるロゼメル(ロメリテオン)、スポレキサント(ベムソムラ)などあります。
④気分安定薬
気分安定薬は、双極性障害(躁うつ病)などで気分の波が大きく揺れ動く状態を安定させるために使われる薬です。
「気分を上げる薬」でも「落ち込ませる薬」でもなく、
気分の振れ幅をなだらかにすることを目的としています。
リチウム(炭酸リチウム)、バルプロ酸、ラモトリギンル、カルバマゼピンなどがあります。
⑤抗パーキンソン薬
ドーパミンを促進し、アセチルコリンを抑制する作用があります。
抗パーキンソン薬は、本来はパーキンソン病の運動症状(ふるえ・筋固縮・動きにくさなど)を和らげるための薬として使われています。
しかし精神科では、抗精神薬による副作用(錐体外路症状)を軽減する目的で処方されることが多い薬です。
薬ごとの減薬対処法

基本的に副作用の大きいものから減らしていきます。
1.抗精神病薬
一番副作用の強い、古い第一世代から減らしていきます。
CP換算値が1000を超える場合は2~4週間を目安にCP100を目安に減らし、CP換算値が800,600,400ではピークがあるので、そこではいったん減薬をストップし様子をみて、問題がなければ減薬をすすめていきます。
※CP換算値とは、抗精神薬の量が適量化の目安となる指標です。
(抗うつ、抗不安薬には使用できない)
CP換算値の計算方法はこちらを利用してください。
2.抗うつ薬
複数処方の場合、最も副作用の強い三環系から減らしていきます。
(三環系⇒四環系⇒SSRI⇒SNRI⇒NaSSA)
抗うつ薬1種類になれば、1/8~1/4の量程度を目安に2~4週間を目安に減らし、倦怠感が強くアカシジアがでる場合は時間を延長していきます。
3.抗不安薬・睡眠薬(ベンゾ系・非ベンゾ系)
複数あるばあいは、力価(薬の作用の強さ)の低いものを残すように減薬。
いっきに減らす or 少しずつ減らすかまず決めます。
ベンゾジアゼピン系はゆっくり減らすと、ジアゼパム依存を形成してしまうこともあるので、できればいっきに減らしたほうが良いようですが、急性離脱法は危険を伴うことや、依存性が覚醒剤以上に強く、手放すことに不安を抱える人が多いので、なかなか難しいようです。
少量であるなら、一気にへらしてもいいかもしれませんが、量が多いと少しづつ減らすのがいいかもしれません。少しづつ減らす場合はアシュトンマニュアルを参考にしてください。
4.気分安定薬
通常、気分安定剤は単剤で処方されることが多いですが、抗精神薬と抗うつ薬の補強で出されることが多い薬です。
依存性、副作用は小さいため、抗精神病薬、抗うつ薬より危険性は低いですが、安全な薬とはいえないのでなくしていくことが望ましく、まずは抗精神病薬、抗うつ薬を優先して減薬し最後の単剤として残しておく。1/8~1/4を目安に2~4週間間隔で減らしていきます。
5.抗パーキンソン病薬
副作用止めとして用いられる薬ですが、急にやめると悪性症候群になるので、これも、少しづつ減らしていく。抗精神薬の残りCP換算値が200になった時点で、錐体外路症状(アカシジア、眼球反転)などが生じなければ最低量にしてからやめていきます。
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