書写とは

書写(しょしゃ)とは、簡単にいうと「文字を書き写すこと」を指します。
小学校低学年の頃、漢字やひらがな、数字などを“書写ドリル”でなぞり書きした経験を覚えている方も多いでしょう。
日本の伝統文化にも、経文を書き写す「写経」という形で書写が受け継がれています。写経は仏教の修行の一つとして行われてきましたが、現代では心を落ち着けるための“静かな時間”として取り入れる人も増えています。これも書写の一種といえます。
特に書写には次のような特徴があります。
・指先を細かく動かすことで脳の前頭前野が活性化する
集中力や判断力、記憶力に関わる領域が刺激されます。
・ゆっくり丁寧に書くことで心が落ち着く
呼吸が整い、マインドフルネスに近い状態が生まれます。
・視覚・触覚・運動の三つの刺激が同時に入る
ただ読むだけよりも、脳の広い範囲が働きます。
・達成感が得られ、自己肯定感が高まりやすい
「書けた」という実感が心の安定にもつながります。
このように書写は、子どもの学習だけでなく、大人にとっても脳を鍛え、心を整える“静かなトレーニング”として注目されています。
机と紙とペンさえあれば始められる、もっとも身近な脳トレのひとつと言えるでしょう。
書写の効果 ~書写は最も脳が活発になる~

東北大学と学研の共同研究で、高齢者の脳活性化に役立つとされてきた160種類の作業の脳の活動を調査したところ、「写経」が最も脳が活性し役立つという結果が得られたようです。
認知症の治療や予防には、脳の活性化が高いほど効果が高いと考えられていることから、特に写経は認知症予防として期待されています。
漢字を書写している時、大脳の前頭前野、下側頭回、頭頂連合野、運動野といった領域が広範囲で活動していることが調査結果で確認されています。
しかし、塗り絵と同様、何か目的をもって手を動かすことが重要で、ただ写すだけではあまり効果が得られないようです。
意外なことに、頭を働かせるだけのオセロゲームでは頭頂葉に変化がなく、脳の活性化とは逆のリラックスに働いていることが判明し認知症予防には効果がないことも。
逆に手を動かすだけのクルミにぎりもあまり活性化しないようです。
「塗り絵」と同様集中力が高まりますが、「書写」は文字の上達にも繋がるので、文字が上手くなりたいという方はこちらを選択するといいでしょう。
認知症同様、うつ病者も類似した脳の働きの部位が低下しているので、うつ病のリハビリに効果的です。
脳を活性化させる書写の効果的なやり方

書写する題材は、短歌や俳句など短い文章のものが効果的なようです。
1.毎日、同じ時間に短時間集中して行うこと。
1日2つくらいを目標に、俳句、短歌を書き写す
2.書く前に俳句を声に出して読む。
3.書写ドリルを利用する場合は、なぞり書きが終わった後、お手本をみながら書き写します。
なぞるときは、ただなぞるだけでなく書き順、止め、跳ねなどに意識することが大切です。