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過剰同調性とは

アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)は、人の表情から感情が読み取ることができず、その場にあった行動がとれない障害として、イギリスの精神科医ローナ・ウィング女史が定義したものです。
一方、それとは全く逆で、空気を読みすぎてしまう特性をもつ人の特徴を「過剰同調性」といいます。

一般的に「空気が読めない」ことが問題視されがちですが、過剰同調性はその逆で、空気を読みすぎるがゆえに疲弊してしまう状態です。相手の反応や顔色を伺うことが習慣化し、自己主張できなくなるため、人間関係や恋愛においてストレスをかかえてしまう原因となります。

過剰同調性という言葉は、精神科医の 柴山雅俊氏が発案したもので、 正式な病名ではありません。
先天的な人もいれば、過干渉や過保護から起る「愛着障害」やPTSD,解離性障害がきっかけとなります。
HSPと過剰同調性は類似していますが、「共感の仕方」の部分に違いがあるようです。
しかし、緊張した家庭環境に育つと、HSP気質を持った人は過剰同調性になっていく傾向があります。

HSPと過剰同調性

HSP : 相手の心に寄り添い、喜びや悲しみといった相手の感情に深く共感する
過剰同調性: 周囲の人に対して、過剰に同調してしまう人

一方で、HSPと過剰同調性に共通して、「ドーパミンD4受容体遺伝子の変異」という遺伝子要因がみられることです。D4受容体は、アミノ酸の塩基繰り返し数(ループ)によって好奇心が満足する「度合い」が変わるとされています。

過剰同調性の特徴

過剰同調性の人は「自分のことを知ってほしい」という気持ちよりも「自分が不快な存在になりたくない」という思いが強い傾向があります。また恋愛となると、奥手になりがちで、感情をなかなかだせず いい人どまりで終わってしまうことになります。

また、それが「八方美人」とみられることもあり、
「自分がない」
「信用できない人間」
と思われることもあるので注意が必要です。

相手の機嫌に過度に敏感

相手が少し不機嫌そうに見えるだけで「自分のせいかもしれない」と考えてしまう傾向があります。
これは、他者の感情を過剰に読み取り、責任を自分に引き寄せてしまう心理です。

断れない・頼まれごとを引き受けすぎる

自分が疲れていても、断る不安の方が大きく、つい引き受けてしまう。
「嫌われたくない」「迷惑をかけたくない」という恐れが背景にあります。

自己主張が苦手

自分の意見を言うと相手を傷つけるのではないか、関係が壊れるのではないかと恐れ、沈黙や迎合を選びやすい。

空気を読みすぎてしまう

集団になると、「自分が不快な存在になりたくない」という思いが強い傾向がある。
また、恋愛においては、奥手になりがち。

常に相手の機嫌を気にしてしまう

相手の気持ちや感情に敏感で、相手の機嫌を損なわないよう気をつけてしまう。
ちょっとした言葉に傷ついたり、傷つけてしまったかなと深く考え込んでしまう。

場の雰囲気を読んで周囲に合わせる

自分よりも他者を優先し、自分の欲求を抑えてしまう。
なるべく周囲に合わせ、場の雰囲気にあわせて空気をみださないようにする。

悪いことがあると自分のせいだと思いがち

他人が叱られていたりすると、自分の過ちで怒られているのかと、あたかも自分のせいだと感じてしまう。

相手に嫌われることを恐れている

「自分の主張に合わせたせいで不快な思いをさせてしまうのであれば、自分が合わせるほうがいい」という考え方で行動します。

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