カテゴリー
- 深い潜在意識への道
目次
はじめに
変遷意識状態(トランス状態)は、私たちの表層意識と潜在意識のちょうど境界に位置する不思議な領域です。一般的な催眠療法では、この境界領域を活用し、心身のリラックスや自己暗示を促す技法が用いられます。
この状態には浅いレベルから深いレベルまで段階があり、深まるほど心身は緩み、安心感や静けさが増していきます。催眠療法で扱う変遷意識状態は、うたたねに近い軽い状態が多いですが、時には日常生活では体験できないような神秘的な感覚に至ることもあります。
瞑想初心者の段階では、雑念が多く、心地よさを十分に味わえないこともあるでしょう。
しかし、呼吸法や瞑想法を繰り返し練習し、この不思議な状態に入れるようになると、自分の成長を実感でき、達成感や自信につながります。
さらに、不安や緊張が強い人でも、瞑想と呼吸法を習得していくことで脳の構造が少しずつ変化し、心の緊張が緩み、セロトニンの分泌も普段から出ていることが実感できるようになります。
深い深層意識を極めていくほど、停滞した脳も蘇り生まれ分かっていくのです。
これは一つの目標として取り組む価値があるでしょう。
ここでは、脳科学的根拠とともに、深い潜在意識へと入る方法について説明していきます。
深い潜在意識へ入るメカニズム

深い潜在意識に入るためには、私たちの理性を司る表層意識を弱める必要があります。
表層意識は前頭前野の働きによって形成される理性的な意識であり、これが強く働いていると潜在意識の深層にアクセスしづらくなります。したがって、瞑想時には「前頭前野を働かせない」ことが重要なポイントとなります。
そのための方法の一つが、脳の酸素濃度を下げる呼吸法です。
具体的には、息を吐くことに重点を置いたゆっくりとした呼吸を繰り返すことで、脳に届く酸素濃度を低下させ、意識を静めることができます。
催眠療法には「鎖骨下動脈圧迫法」という血流を減少させる技法もありますが、これは失神の危険を伴うため安全性に欠けます。それに比べ、吐く呼吸法は安全であり、セロトニンやβ-エンドルフィンの分泌を促し、心地よい安らぎを体験できます。
ただし、呼吸法だけで簡単に深い潜在意識に入れるわけではありません。
もう一つ大切な要素は、「考えないこと」です。ここでいう「考えない」とは、完全に無思考になることではなく、「深い潜在意識に入ろう」と強く願わないことを意味します。
願望が強すぎると逆に妨げとなり、自然に訪れるはずの体験が遠ざかってしまうのです。
悟りの境地が欲望によって阻まれるように、無欲で取り組むことが鍵となります。
瞑想中に
「今日はうまく入れるだろうか」
「効率よく潜在意識に入るにはどうすればいいか」
といった雑念がある間は、深い状態には到達できません。
私自身の経験では、時間をかけて呼吸を続け、雑念や願望が消えた瞬間にふっと深い意識状態が訪れることが多いです。
眠気で失敗することもありますが、十分な睡眠をとり、
「今日は体験できればラッキー」
という軽い気持ちで取り組むと成功しやすくなります。
姿勢も特にこだわる必要はありません。
深い潜在意識に入るための練習法
深い意識に入るためには、まず深い呼吸ができるようにする必要があります。
練習法についてはこちらをご覧ください。
深い潜在意識へ入る実践方法
時間帯
流れ

やがて手足がぴりぴりと痺れるような感覚が訪れることがありますが、気にせず続けましょう。雑念が浮かんでも消そうとせず、ただ観察するだけで十分です。意識はおでこに集中し、白い光が広がるイメージを描くと効果的です。
深い潜在意識状態に入ると

深い潜在意識状態に入ると、「起きている状態と夢が混在したような」日常では味わえない独特の感覚が訪れます。
これはすぐに「特別な状態だ」と分かります。
無意識状態とはいえ、自分でコントロールできる状態なので安心してください。
この状態は暗示効果が強いため、願望をイメージしたり、アファーメーションを唱えることで潜在意識に働きかけることができます。
終了するときは、ゆっくり意識を戻すか、そのまま眠りに入っても構いません。
失敗しても反省しない
深い潜在意識状態への到達は、何度経験しても失敗することが多いものです。
一度成功すると「もう一度あの感覚を味わいたい」と欲が出てしまい、かえって妨げになります。
椅子に座って目を閉じ、ただ吐く呼吸をしているだけでも突然入れることがあるため、姿勢や方法に過度にこだわる必要はありません。
むしろ、アバウトなやり方で「無心」に取り組む方が成功しやすいのです。
失敗しても無意味ではなく、瞑想の上達度は確実に高まり、脳構造が変貌していく実感が得られます。
大切なのは「無欲で継続する」こと。
入れたらラッキー、失敗しても学びになったと受け止め、楽しみながら続けていきましょう。