はじめに
血液さらさら効果、頭を良くし、うつ病にもいいとされ、サプリメントでもよく見かける「DHA」,「EPA」。DHAは「ドコサヘキサエン酸」、EPAは「エイコサペンタエン酸」といいます。
うつ病などの精神疾患は、かつては「神経症」と呼ばれていたように神経細胞の働きと関係があります。うつ病になると、ストレスホルモンのコルチゾールが脳内に浸透し、脳細胞を破壊していくことが知られています。その結果、集中力、記憶力が低下するなど脳の働きが悪くなるため、脳機能を高めていくには、脳神経細胞を増やし、鍛えていく必要もあります。
近年は、神経細胞を増やすBDNF(神経栄養因子)への注目が話題になっていますが、DHA、EPAも脳の神経細胞を強化し、精神状態を高めてくれる作用のある栄養素の一つです。
また、DHA・EPA は、加齢に伴い低下する記憶力を維持し、血中の中性脂肪値を低下させる機能があることが報告されています。その他にも、脳梗塞、心筋梗塞の防止、視力を高めるといった様々な効果もあります。

オメガ3、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)とは

人体は細胞でつくられ、その細胞を覆う細胞膜は脂質でつくられています。
脂質で最も重要な成分がオメガ3(ω3)です。
脳の神経細胞の膜は、他の人体の細胞よりはるかに多くのオメガ3を含んでいます。
脳の働きや精神状態は、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質に注目されがちですが、神経細胞や伝達物質が多くあったとしても、神経細胞から神経細胞への伝達は上手く機能するわけではありません。

神経伝達物質が、シナプス間隙にある受容体にきちんと受け取ってもらうことも重要です。
この鍵を握っているのが、形や柔軟性といった膜の性質で、膜の構成成分となっているオメガ3といった脂肪酸の種類で決まります。
オメガ3は、不飽和脂肪酸の分類の一つです。
体が正常に機能する上で欠かせない重要な脂肪酸ですが、体内でつくることができません。
そのため、食べ物からとる必要があります。(必須脂肪酸)
オメガ3に該当する脂肪酸が「αーリノレン酸、EPA,DHA」になります。
つまり、EPA,DHAがうつ病や抑うつ(うつ状態)によいとされる理由は、EPA,DHAが神経細胞の膜質を高めて強靭にし、神経伝達物質の流れをよくする効果があるという観点からきています。
オメガ3
EPA、DHAは人の体内で魚介類、亜麻仁油、シソ油、海草などに多いα-リノレン酸からできていきます。しかし、この反応を促す酵素が弱く、なかなか十分なEPAやDHAはできません。
αーリノレン酸⇒EPA⇒DHA

EPAとDHAの違い

EPAとDHAはどちらもα-リノレン酸からつくられ、鰯や鯖といった青魚など、脂ののった魚に豊富に含まれています。そのため一見よく似た成分のように思われますが、実際には作用の仕方も、体にもたらす効果も大きく異なります。
ここでは、その違いについて見ていきましょう。
EPAとDHAの歴史と違い
EPAの効果が明らかになり始めたのは、1960年代後半のことです。
グリーンランドに住むイヌイットの人々に、心臓病で亡くなる人が非常に少ないことに注目した研究が、その発端でした。
その後の研究により、EPAには血液の性状を健康に保ち、血栓をできにくくすることで血流を改善し、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞を予防する働きがあることが確認されていきます。
EPAに「血液をサラサラにする」という表現が使われるのは、こうした背景によるものです。
一方、DHAが注目され始めたのは1989年。
英国で「日本の子どもの知能指数が高いのは、魚食(DHA)の影響ではないか」という研究が話題となったことがきっかけでした。
DHAは脳や網膜などの神経系に豊富に含まれる栄養素であることから、「魚を食べると頭がよくなる」というフレーズが広く知られるようになります。
EPAは摂取すると血中濃度が上昇し、摂取をやめると減少するというように、比較的変動しやすい性質を持っています。
これに対してDHAは、血中濃度の増減が起こりにくいことがわかっています。
また、DHAに関するヒトでの研究は長い間、EPAも含まれた魚油を用いて行われてきたため、DHAの研究結果として発表された内容が、EPAの「血液サラサラ作用」と混同されるイメージを持たれることもありました。
DHAについてヒトで明確にわかっているのは、脳組織に非常に豊富に存在する脂質であるという点です。
さらに、ω3系脂肪酸の中で血液脳関門を通過できるのはDHAのみであり、その作用機序の一つとして、細胞膜リン脂質にDHAが取り込まれることで膜の流動性が高まり、神経細胞の活性化や神経伝達物質の伝達効率が向上すると推定されています。
EPA

・脳血液関門を通過できない。
・血中に取り込みやすく血栓を抑制し、血流をよくする。
・中性脂肪値を下げ、動脈硬化、心筋梗塞を防ぐ
DHA

・脳血液関門を通過し脳組織に多く存在する。
・脳細胞の膜流動性が高まり、脳神経細胞の活性化、神経伝達物質の向上し、脳の働きがよくなる。
DHA,EPAと脳の神経細胞との関係

脳の海馬は、短期記憶やワーキングメモリに関わる重要な部位ですが、ストレスによって萎縮しやすく、学習能力にも影響が出やすいことが知られています。
また、アルツハイマー型認知症で亡くなった方の海馬では、DHAの量が他の病気で亡くなった方の半分以下にまで減少していたという報告もあります。
精神面に関わる神経伝達物質は神経細胞からつくられるため、神経細胞そのものが減少すると、精神状態にも影響が及びます。
こうした脳の働きを支えるうえで、DHAとEPAは“救世主”ともいえる重要な役割を果たします。
その主な効果は次のとおりです。
脳神経細胞の再生 ~BDNF(神経栄養因子)の活動を促す~
EPAとDHAは、脳神経細胞の栄養因子であるBDNF(脳由来神経栄養因子)の働きを促進し、脳神経の再生や保護に役立つことが知られています。

脳神経細胞間の情報伝達亢進 ~神経伝達物質の流れをよくする~
EPAとDHAには、神経細胞同士をつなぐシナプス間隙における神経伝達物質の働きを高める作用があり、脳内の情報伝達をスムーズにする“潤滑油”のような役割を果たします。

脳神経細胞の保護 ~神経細胞を守る~
脳神経は、活性酸素による酸化ストレスを受けると機能障害を起こしますが、EPAとDHAにはこの酸化ストレスから神経細胞を保護する働きがあるとされています。
さらに、アミロイドβ蛋白質の大脳皮質への沈着を減少させる可能性が報告されており、アルツハイマー型認知症の予防効果も期待されています。

脳細胞の活性化 ~脳細胞活性化作用~
EEPA・DHAの濃度が高まるとヘモグロビン量が増加し、その結果、脳に届けられる酸素量が増えることで脳細胞が活性化する、という報告があります。

参考
https://www.dhc.co.jp/category/detail/32674/32674_D663_sayoukijyo.pdf
EPA・DHAが多く含まれる食品

EPA・DHAは体内でほとんど生成されないため、基本的には「食べ物」から摂取する必要があります。
EPA・DHAを多く含む食品といえば、多くの人が「青魚」を思い浮かべるのではないでしょうか。
では、実際にどの食品にどれくらい含まれているのか、他の食品と比較しながら見ていきましょう。
(参考:文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)脂肪酸成分表編』)
魚類のDHA・EPA含有量(可食部100gあたり)
| DHA | EPA | |
| くじら | 3400mg | 4300mg |
| くろまぐろ | 3200mg | 1400mg |
| さば | 3100mg | 2200mg |
| さんま | 2800mg | 2500mg |
| サケ | 2400mg | 2100mg |
| ブリ | 1700mg | 940mg |
| カツオ | 970mg | 400mg |
肉類・乳製品のDHA・EPA含有量(可食部100gあたり)
| DHA | EPA | |
| 豚肉 | 67mg | 0mg |
| 鶏肉 | 16mg | 5mg |
| 牛肉 | 4mg | 20mg |
| 卵 | 0mg | 120mg |
| 牛乳 | 1mg | |
| チーズ | 6mg | 20mg |
野菜類、油類はDHA,EPAはほとんど0mgで、やはり、食べ物から摂取するには魚類が一番よいという結果でした。
DHA,EPAを摂取するよい方法

魚を食べる

DHAやEPAを摂取するには、これまで見てきたように魚類を積極的に取り入れることが効果的です。
なお、上記の数値は「生魚」のデータですが、加熱調理を行うと含有量は減少します。
焼き魚や煮物では約20%、揚げ物では約50%も減ってしまうことが知られています。
そのため、DHAやEPAを効率よく摂取したい場合は、調理方法にも工夫が必要です。
最も効率がよいのは、生で食べられる「刺身」にすることです。
特に「くじらの刺身」はEPA・DHAが非常に豊富で、さらに抗疲労成分である「バレニン」も多く含まれています。
低脂肪・高鉄分・高タンパクという特徴もあり、疲れやすい方、貧血気味の方、ダイエット中の方にも適した食品です。
また、魚料理を蒸したり煮込んだりする場合は、流れ出た脂の中にDHAやEPAが含まれているため、煮汁ごと食べることで効率よく摂取できます。
魚が苦手という方

魚が苦手な方は、DHA・EPAのもととなるオメガ3脂肪酸、すなわちα-リノレン酸を含む食品を摂るとよいでしょう。
α-リノレン酸は体内でDHAやEPAへと変換されます。
このα-リノレン酸は、亜麻仁(アマニ)油やエゴマ油などの植物油に多く含まれています。
サプリメント

食事に気を遣ってDHAやEPAを摂ろうとすると、日々のやりくりが大変になることもあります。
特に一人暮らしで仕事が忙しい場合、料理をすること自体が負担になることもあるでしょう。
そんなときは、サプリメントを活用するのも一つの方法です。
また、DHAやEPAなどの「オメガ3系脂肪酸」は、朝に摂取したほうが吸収効率が高いという研究結果があります。
反対に、夜遅くに摂ると体脂肪として蓄積されやすいとされているため、摂取のタイミングには注意が必要です。
サプリメントを利用する場合どれがよい?~DHA,EPAサプリメントの選び方~

DHAとEPAをサプリで補給したいけど、どれを選べばいいのか?
気を付けることは下記の3点です。
Point1 DHA+EPAのものを選択
DHA,EPA単独のサプリメントも販売されていますが、DHA+EPAのものを選択するほうがいいでしょう。
DHA単独で摂取するよりもバランスがとれ、EPAによる血流活性効果による脳の働きを高め、中性脂肪も減らし健康面にも良いからです。
Point2 DHAとEPAの配合量250mg/日以上か?
欧州では、成人1日あたり摂取量の目安として合計250mg/日(DHA+EPA)とされています。
そのため、1日分の配合量の目安として、最低250mg/日以上のものを選びましょう。
Point3 抗酸化作用の成分が配合されているもの
また、「質」を意識して摂取することも重要です。
DHAとEPAは、酸化されやすい特徴があります。
酸化されてしまうと、本来の力を出し切ることができないため、酸化抑性効果のある成分が含まれているものがいいでしょう。抗酸化抑性作用のある成分としてセサミン、ビタミンE、アスタキサンチンなどが利用されています。
おすすめのサプリメント
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(配合量400mg/日 DHA300mg/日 +EPA100mg/日)
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