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  • 深い潜在意識への道

はじめに

潜在意識状態へ入りやすいかどうかは、表層意識の強さと深く関わっています。
表層意識は「覚醒状態(目が覚めているときの意識)」に対応しているため、潜在意識に入るには表層意識をなるべく弱めていく必要があります。
不安や緊張が強いと寝付きにくくなるのも、表層意識が優位に働いているからです。表層意識は理性や思考を司る部分であるため、考え事や悩みが多いと理性が過剰に働き、眠りに入ることが難しくなります。
考え事や悩みを抱えている人は、普段から無意識的に交感神経が優位に働きやすく、筋肉が緊張しやすい傾向があります。そのため、悩みの少ない人と比べると身体が硬直しがちです。身体の硬さを観察するだけで、その人の精神状態や緊張度合いをある程度推測することができます。
また、身体が緊張しているとツボを押した際に強い痛みを感じることがあります。しかし、身体の緊張がほぐれていくにつれて、その痛みも次第に軽減していくのが分かります。
不安や緊張が強い方は、まず身体の緊張を意識的に解きほぐすことから始めましょう。身体が緩むことで心も次第に落ち着き、潜在意識状態へ入りやすくなります。

どういった取り組みをすればいい?

深い変遷意識状態に入るための基本は以下の3点です。

1.身体をほぐす→緊張をほぐすマッサージ
2.深い呼吸を行う→呼吸の練習
3.前頭前野を緩める。→マインドフルネス音声の利用

この3つを念頭に置き、具体的な方法を実践していきましょう。

1.緊張をほぐす簡単なトレーニング

ストレッチには緊張や不安を軽減する効果がありますが、継続しなければ元に戻ってしまいます。そこで、場所や時間を選ばず、簡単にできるストレッチを習慣化することが大切です。仕事の休憩時間や入浴中、待ち時間、電車やバスでの移動中など、日常の隙間時間を活用しましょう。

緊張を解くにはストレッチが有効ですが、特に重要なのが首・肩・肩甲骨まわりです。普段から意識してストレッチを行い、習慣化していきましょう。

①左右に首をまげる

・目を閉じて行います。

1.耳を肩につけるようなイメージで首を曲げ、筋の張りを感じながら30秒程度じわじわと伸ばします。

2.首を戻し、数秒間筋の部分を中心に「あー楽になった」と感じながら首を回して解放感を味わいます。
3.反対側も同様に行い、3往復程度繰り返します。

②左斜め、右斜め前に首を曲げる

  • 目を閉じて行います。
  1. 頭を斜め下に下げ、首の筋の張りを感じながら30秒程度伸ばします。
  2. 首を戻し、数秒間「あー楽になった」と感じながら首を回します。
  3. 反対側も同様に行い、3往復程度繰り返します。

③頭を前後にストレッチ

  • 目を閉じて行います。
  1. 頭を下げ、首の背筋の張りを感じながら30秒程度伸ばします。
  2. 顔を上げ、喉側の張りを感じながら30秒程度伸ばします。
  3. これを3往復程度繰り返します。

④肩を上げ下げする

  1. 息を吸いながら肩を持ち上げ、15秒程度維持します。
  2. 息を吐きながらストンと肩を下ろし、解放感を味わいます。
  3. これを5回程度繰り返します。

⑤前頭筋をほぐす

考え事をすると前頭前野が活発に働き、その周囲の筋肉(前頭筋)が疲労して硬くなります。前頭筋が硬くなると表情がこわばり、頭痛・肩こり・集中力低下・脳の働きの低下を招きます。前頭筋をほぐすことで瞑想時の集中力も高まります。
方法

  1. 両手の人差し指・中指・薬指を眉毛の上に当て、軽く圧をかけます。
  2. 圧をかけながら筋肉をほぐすように円を描いてマッサージします。皮膚はこすらないように注意しましょう。
  3. 少しずつ場所をずらしながら、おでこ全体をマッサージします。

前頭筋の領域

前頭筋を指でぐるぐると圧を加えマッサージ

⑥肩甲骨体操

家にいるときは、肩甲骨体操にも取り組みましょう。

⑦湯船につかる習慣をつける

入浴は筋肉の緊張をほぐし、自律神経を整える効果があります。アロマやハーブを取り入れることで楽しみながらリラックスできます。温度帯によって副交感神経の活性化、ヒートショックプロテイン効果、交感神経の刺激など異なる効果が得られるため、目的に応じて調整しましょう。

アロマオイルを使用

香り成分で精神状態をリラックスできます。
長風呂にゆっくり浸かってリラックスしたいときは、
温度38~40度の温度にして入れるといいでしょう。
湯船につかりながら目を閉じ、瞑想と呼吸法を行うととてもリラックスします。

アロマオイルに基材(ソルト、牛乳、ハチミツなど)に混ぜて入れるとお湯に混ざりやすくなり、肌荒れ防止になります。
・アロマオイル(4~6滴)+大匙塩2杯
・アロマオイル(4~6滴)+牛乳30ml
・アロマオイル(4~6滴)+大匙はちみつ2杯

※強い香りのアロマオイルは避けましょう。

バスクリンを入れる場合

バスクリンを入れると血行が高まり、疲労回復や眠りにつきやすくなります。
40~42度の高めの温度で利用すると、HTP(ヒートショックプロテイン)効果で神経細胞の成長にも効果的です。

2.呼吸法は時間があるときに常に行う

呼吸法は特別な時間を設けなくても、日常のあらゆる場面で行えます。テレビを見ながら、パソコン作業中、車の運転中、電車の中、会議や勉強中など、意識的に呼吸を整える習慣を持ちましょう。正確さにこだわる必要はなく、継続することが重要です。

3.前頭前野を緩めるマインドフルネス瞑想(音声利用)

雑念が強い場合は、目を閉じておでこに意識を集中し、頭の意識をぼかすようにして思考を空っぽにする訓練を行います。雑念を消そうとせず、客観的に観察する姿勢が大切です。夜寝る前に音声ガイドを利用すると効果的で、不眠症改善にもつながります。

気分転換に外へでて瞑想を行う

うつ病の特徴の一つとして、外出する気分が失せ、家に引きこもりがちになることがあります。
しかし、時間の経過とともに気分が少しずつ軽減してくるため、外に出る習慣がなかった人も、まずは近場の公園で瞑想をしてみると良い気分転換になります。
河原や海に出て、自然の風の音、さざ波の音、川の流れる音に意識を向けながら瞑想をすると、とても心地よい体験が得られます。
最初のうちは、外で瞑想をしていると近くを通る人の視線が気になり、恥ずかしさを覚えることもあります。しかし、続けていくうちに次第に慣れ、周囲の目も気にならなくなっていきます。
人の視線や対人恐怖が強い場合でも、一日ほんの少しずつでも構いません。徐々に外に出ることを意識していきましょう。大切なのは、いきなり欲張って「一日で100%治す」と考えないことです。むしろ「今日は5%だけ良くなればいい」という気持ちで、毎日こつこつと実践を積み重ねていくことが重要です。

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