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- 催眠
目次
はじめに
催眠療法は、心の奥深くにある力にそっと触れる旅です。
けれども、その旅には準備が必要です。安全に、穏やかに進むために、いくつかの条件があります。
催眠療法に適している人

1. イメージ力がある人
頭の中で情景を思い浮かべたり、感覚を想像したりするのが得意。
音楽や物語に感情移入しやすい人は、催眠状態に入りやすい。
2.集中力と想像への没入ができる人
興味のあることに夢中になれる。
本や映画に深く入り込む経験がある人は、催眠誘導に適応しやすい。
3.自己成長や変化への意欲がある人
「変わりたい」「改善したい」という明確な目的や動機がある。
そのために自分の内面に向き合う覚悟がある。
4.一定の精神的安定がある人
急性の精神症状がなく、セッション後の感情変化を自己管理できる。
5.リラックスすることを受け入れられる人
呼吸法や瞑想など、心身を落ち着ける方法に抵抗がない。
「委ねる感覚」を許容できる。
催眠療法に適していない人

1.重度の神経発達症(発達障害)をもつ方
催眠状態になるには集中力が必要です。
そのため、多動の強いADHD傾向が強い方、抽象理解の困難により、集中やイメージ誘導が難しいためです。
2.重度の精神疾患を持つ方
統合失調症、双極性障害(躁状態)など、現実検討能力に影響する症状がある場合、
催眠により現実と想像の境界があいまいになり、症状が悪化する可能性があります。
3.強い自殺念慮がある方
催眠状態で感情が増幅され、自傷・自殺衝動が強まる危険性があります。
4.てんかん・心疾患の既往がある方
深いリラクゼーションやイメージが発作の誘因になる可能性があります。
5.薬物(精神科処方薬含む)・アルコール依存症の方
認知機能の低下により、催眠の効果が得られにくく、混乱や危険を招く恐れがあります。
また、精神科で処方される向精神薬は、減薬時などに自殺念慮を引き起こす作用もあるため、
服薬量の多い方にとっての減薬は非常にリスクが高いものになってきます。
6.暗示に対して強い拒否感や恐怖感を持つ方
催眠に対する強い警戒心があると、リラックスできず効果が出にくいためです。
7.パーソナリティー障害の一部
自己愛・反社会性・境界性・妄想性など、感情の不安定さや対人関係の困難が催眠によって悪化する可能性がある。また、支配されたくない、人の言うことを聞かない傾向が強いため暗示にかかりにくいといえます。
8.病識が強く、治療意欲が乏しい方(ミュンジハウゼン症候群)
病気であることに執着し、改善への意欲が見られない場合、催眠の効果が期待できません。
主体的に病気を治そうとする心がけが必要になってきます。
まとめ
催眠療法に適しているのは、想像力が豊かで感受性が強く、向精神薬の危険性がわかる危険察知力が高い能力をもつHSP(Highy Sensitive Person)気質をもっている人ということになります。
催眠療法は、誰かに「治される」ものではなく、あなた自身の内なる力にそっと光を当てる時間です。そのためには、安全で信頼できる土台が必要です。